腰痛・坐骨神経痛
(腰の痛み・左のお尻から太ももにかけてのシビレ)
40代 女性 事務職 大阪府枚方市在住
<来院時の状態>
知人の紹介で上記の症状を訴え来院。
初検時は腰に手をあて左脚をかばって
足を引きずりながら来院。
事務職でデスクワークが多く、座っている
時間が長い。搬入などがある場合は
重い荷物を運ぶこともあるとのこと。
来院の2週間前に仕事中に腰が痛くなり
徐々に左のお尻や太ももの裏にまでシビレが
広がっていき動けなくなった。
すぐに整形外科を受診し、腰のヘルニアと
診断を受け、シップ、ロキソニン、リリカ
を処方されたが2週間症状が改善せず
当院に来られた。
<検査・評価>
▪️歩様
左下肢をかばい強度の破行
▪️神経学検査
右 SLR(-) ATR(±) PTR(±) バビンスキー(-)
左 SLR(-) ATR(±) PTR(±) バビンスキー(-)
パスート 右↓↓
サッケード (-)
対光反射 右↓
輻輳反射 (-)
鼻指試験 左↓↓
タッピング 左↓
▪️全身の触察
右足底アーチの低下
右下腿部の外旋変位
胸郭入口↘︎
横隔膜↘︎
骨盤底膜↗︎
左中臀筋にジャンプサイン、
左大腿筋膜張筋に圧痛
左半腱半膜様筋に圧痛
右僧帽筋、左胸鎖乳突筋に圧痛
<考察>
検査・評価の結果より、患側の左下肢は
中臀筋のジャンプサインが著明で
右健側の足底アーチの異常や下腿、足関節の
アライメント異常が認められたので
普段から右脚がうまく使えておらず
反対側の左の股関節に代償が起き、
大腿筋膜張筋、中臀筋のオーバーユースから
局所的な虚血が起こり、
中殿筋に筋硬結が形成され局所の感覚神経の
感作からジャンプサインとして現れた
と考えられる。
そして中殿筋や大腿筋膜張筋の
関連痛として腰部と左大腿後面に
痛みと痺れを発症したと考えられる。
<治療内容>
2週間に渡り強い疼痛と痺れにさらされた結果
神経学検査において右脳と左脳、左右小脳に
機能差が見られたため、脳内バランスを整えるため
シンパタッチを含めたBASE療法をまず行った。
施術後、パスート、鼻指試験は改善し
タッピング、対光反射はやや改善した。
局所の疼痛処置として中臀筋と大腿筋膜張筋の
トリガーポイントに刺鍼し発症部位と同部位に
響きを与えた。
刺鍼後、歩様をチェックすると破行は
ほぼなくなり、疼痛とシビレも減弱した。
その後、代償を起こしている原因である
健側の足底アーチの調整と下腿部の
筋膜と筋肉の修復を行いアライメントを
調整して初回は終了した。
3日後に来院してもらうと、腰に軽度の
痛みと臀部に軽いシビレ残す程度まで
改善していた。破行は消退。
刺鍼は初回のみで、2回目以降はBASE、
足部、膜の施術で5回目の施術でほぼ全ての
症状は消退した。
現在は月1回のメンテナンスを継続中。
<投稿者>
はる鍼灸整骨院
島井浩次